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低用量ピル

ピルは、女性ホルモンの卵胞ホルモン(エストロゲン)、黄体ホルモン(プロゲステロン)が含まれている薬剤です。効果を十分に発揮し、副作用をなるべく減らすために作られた薬剤です。もともとは避妊目的で開発されたものですが、ここ最近は月経困難症の改善、出血量の減少、月経前症候群予防、また卵巣がんの予防などで有用であることが分かっています。日本ではピル普及率が3%未満と言われていますが、G7など欧米諸国では、アメリカ13.7%、イギリス26.1%、フランス33.1%となっています。
日本では低用量ピルの普及が遅れておりましたが、ここ最近は正しい知識が広まりつつあり徐々に使用率は増加傾向です。
ピルには、自費ピルと月経困難症(生理痛)のために開発された保険ピル(LEP:Low dose Estrogen Progesterone)の2週類があります。
現在は、1ヶ月に1回生理を起こさせる28日周期服用タイプ、最長120日間生理を止めておくタイプのものがあります。生理前後にいつも体調がすぐれない方は後者の内服方法することで日常生活を心地よく過ごすこともできます。

低用量ピル内服のメリット

①避妊効果

100%に近い避妊効果があります。
卵巣を休ませている状態となり、排卵が起こらず妊娠が成立しません。

②生理痛の改善、出血量の減少、出血期間の短縮

低用量ピルを内服することで、自然な状態より子宮内膜が厚くならず、生理の際に出血量が減少し痛みを軽くします。また内膜が剥がれ落ちる量が少ないため、生理期間の短縮にもつながります。(2日ほどでごく少量で生理が終わる方もいます。)
結果的に生理用ナプキンを頻回に使用することや、長期間ナプキンを使用することによるかぶれなども予防することができます。
いつも生理の度に鎮痛剤を内服する方、お仕事、学校生活に支障をきたすような痛みが出る方は適応があります。

③月経不順

低用量ピルを内服することで生理周期が安定します。
周期が安定することで、生理開始日が予測可能となり、急な生理発来で焦ることはなく安心して過ごせます。

④月経前症候群(PMS:premenstrual syndrome)

女性はホルモンに支配されていると言っても過言ではありません。
身体の中の急激なホルモンの変化で様々な症状に悩まされます。低用量ピルを内服することで急激なホルモンの変化を抑え症状を和らげます。

⑤肌あれの改善

ピルを内服することで、ホルモンバランスが安定し肌荒れを改善することがわかっています。

⑥卵巣がんの予防

排卵を抑えることで、卵巣への負担を少なくし卵巣がんの罹患率を抑えるとういう医学的なエビデンスがあります。

低用量ピル内服のデメリット

血栓症

低用量ピルを内服することで、非常に稀ではありますが、血液が固まりやすくなり、その結果血管が詰まり、心筋梗塞、脳梗塞、肺塞栓などを引き起こすことがあります。
ピル内服の女性1万人あたり、3〜9人と報告があります。
※内服しない方は、1万人あたり1〜5人、妊娠中の方は5〜20人、出産直後の方は40〜65人
血栓症を疑うような症状のある方は、循環器内科、血管外科を受診する必要がありご紹介させていただきます。

ピル内服中止を考慮する症状

  • ふくらはぎの痛み・太さの左右差、浮腫み
  • 胸痛、胸が苦しい、呼吸が苦しい
  • 突然の頭痛、持続性の頭痛、いつもより強い頭痛
  • 急激な血圧の上昇
  • 長期間の吐き気
  • 持続する量の多い不正出血など

ピル内服後の妊孕性について

以前は、ピルを内服していると妊娠しづらくなるという考えがありました。現在でもそのような不安も持っている方もおられます。しかし、医学的にそのようなデータの根拠はなはないことが分かってきました。ピル内服中は排卵を抑制しますが、内服中止後に排卵機能が低下しているということはありません。
一般的にはピルの内服中止より、正常生理周期の方であれば、5週間前後で生理が再開します。もともと生理不順の方は、5週間以上かかることもありますが、3ヶ月以内には95%以上の方に生理が再開します。3ヶ月以上、生理再開がない場合は妊娠やホルモンバランスの変調もある可能性があるため検査をお勧めします。

※ピルを飲み忘れた場合(WHOによる推奨)

1日飲み忘れの場合(最後の内服〜24時間以上48時間以内)
思い出した時点で1錠すぐに内服、そのあといつもの内服時間に1錠内服
※思い出した時間がいつも内服の時間であれば同時に2錠内服

2日飲み忘れの場合(最後の内服〜42時間以上、48時間以内)
思い出した時点で1錠すぐに内服、そのあといつもの内服時間に1錠内服
※思い出した時間がいつも内服の時間であれば同時に2錠内服
※2日忘れた場合でも、3錠内服することはありません!
ただし、避妊のためにその周期はコンドーム等使用してください

3日飲み忘れの場合(最後の内服〜48時間以上経過)
現在、内服しているシートの分は中止し、生理再開を待ちます。生理が始まったら新しいシートで飲み始めてください。
避妊のためにその周期はコンドーム等使用してください

※ピルは1日でも飲み忘れると出血することがあります。

自費のピルは各種ご用意がありますのでお尋ねください。
不安な点、不明な点がございましたら医師・スタッフにお気軽にお尋ねください。

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