人工妊娠中絶
妊娠しても出産することができない方のため、母体保護法という法律があります。
この法律は母体の生命、健康を保護することを目的としています。
人工妊娠中絶の条件は、 妊娠の継続又は分娩が身体的又は経済的理由により母体の健康を著しく害するおそれのあるもの(母体保護法第14条1頁1号)
暴行もしくは脅迫によって又は抵抗もしくは拒絶することができない間に姦淫されて妊娠したもの(母体保護法第14条1頁2号)
とされています。
当クリニックでは、産婦人科専門医、母体保護法指定医が手術を行います。
プライバシーを重視し、身体への負担を最小限に抑えた手術を行います。
ほとんどの処置は前処置なしで行います。
当院で行える手術は、妊娠11週6日までの初期中絶となります。
手術同意書について
人工妊娠中絶は、母体保護法という法律により同意書への記入が必須になっております。
必ず、手術当日に同意書を提出していただく必要がございます。
同意書には、直筆によるご本人氏名とパートナーの氏名記載が必須となります。
事情によりパートナーのサインがいただけない場合もあるかと思いますが、その際は事前にご相談ください。18歳未満の場合は、ご両親のサインが必須となります。ご自身の体を守るためにもご両親には早めにご相談ください。
申し訳ございませんが、サインがない場合は当院で処置を行うことはできません。
虚偽のサインをした場合は法律違反となる可能性がございます。
ご不明な点は、お電話にてご相談ください。
手術前の検査
血算、クラミジア、淋菌、B型肝炎、C型肝炎、梅毒、HIVの採血を行います。
人工妊娠中絶の方法(吸引法)
当院では吸引法による手術を行っています。
子宮内腔に細いプラスチックの管を挿入し陰圧をかけることで、吸引する方法です。
従来の掻爬手術は、子宮内腔を損傷し不妊の原因となったりするため、現在では吸引法による処置が一般的です。1回の処置で遺残するリスクや痛みも少なく、安全性の高い方法と言われています。
手術の麻酔方法
麻酔方法は2種類あります。ご本人の希望に添い麻酔を選択致します。
⑴子宮頸管ブロック
→子宮頸部に局所麻酔薬を注射し、痛みを軽減する方法です。
⑵静脈麻酔
→点滴より一時的に眠くなる麻酔薬を投与します。
※麻酔方法は併用する場合もあります。
麻酔中は、血中酸素濃度の測定をするため、指にパルスオキシメータを装着し呼吸状態を管理します。
〜手術までの流れ〜
- 初診時に、子宮の中に妊娠していることを診断したのち、ご本人の意思を確認致します。
- 医師より手術についての説明・手術同意書をお渡し致します。
- 日程を調整し、手術を行うのに必要な採血検査を行います。
〜手術当日の流れ〜
- 禁食で来院してください。少量のクリアウォーターは飲んでも構いません。朝お薬の内服がある方は必ず内服してください。
- 当日、朝10時に来院となります。同意書を受付にご提出ください。
- 来院したらまず医師とお話となります。最終的な手術に対する意思を確認させてください。
- 手術することを最終決定しましたら、手術前にお会計を済ませてください。
- 術前処置(子宮頸管拡張)を行うことがあります。※子宮口の狭い患者様のみに行います。
- 静脈麻酔をかけるため点滴を留置します。
- 麻酔をかけて手術を行います。手術時間は10分程度です。
- 術後、1時間程休んでいただき退院診察を行い今後の流れの説明を致します。
処方が出ます。 - 7日〜10日後に再診察となります。大事な検査のため必ずご来院ください。
〜手術後の生活・注意点〜
- 手術当日はご自宅でゆっくり過ごしてください。当日は湯船につからずシャワーのみとしてください。
- 手術翌日から通常の生活に戻してください。
- 出血は個人差がありますが、10日〜14日ほど続く場合があります。
- アルコールの摂取や、強度の強い運動は術後1週間後ほど控えてください。
- 子宮内に出血が溜まるため痛みが出ることがあります。痛み止めを内服してください。
- 生理2日目のような出血が持続する場合や、強い下腹部痛の持続また38度以上の発熱を伴う症状などがありましたら御連絡ください。
術後のアフターフォロー
止むをえず中絶を選択した方のためのアフターフォローも当院では行なっています。
ご自身の体のこと、これからの生活などご質問がありましたら、お気軽にご相談ください。