更年期症候群
加齢とともにエストロゲンという女性ホルモンの分泌が低下することで様々な症状が出てきます。エストロゲンの低下は、血動脈硬化の促進、コレステロール値の上昇、骨粗鬆症を来すことがあります。
ホルモンの低下に身体がついていかず、日常生活に支障をきたすような重い症状をきたす場合もあります。
40歳代後半より症状が出現してきます。
症状
手や顔のほてり、冷え、多汗、めまい、耳鳴り、倦怠感、イライラ、不眠、気持ちの落ち込みなど、決まった症状はありません。
診断
女性ホルモンの採血エストラジオールE2、卵胞刺激ホルモンFSH、黄体形成ホルモンLHを行います。
検査結果で、年齢相応の数値であっても症状がある場合は治療することがあります。
微小血管狭心症
狭心症は心臓を栄養する血管に十分に血液が流れなくなり胸痛をきたします。
微小血管狭心症は、はっきりした原因は分かっていませんが、女性ホルモンが低下することで、心臓を栄養する血管が十分に広がらず胸痛を起こすとされています。胸痛は、20〜30分ほど持続することもあり、安静時(就寝時、起床時)や運動している状態でも起こり得ます。胸の痛みや背中の痛み、肩の痛み、みぞおちの痛みが出ます。
更年期時期に、原因不明の胸痛や胸の圧迫感を感じ、内科を受診しても分からない場合もあります。循環器内科で特殊な検査を受けることで診断となります。狭心症でステント手術を受けても胸痛がある場合は、微小血管が攣縮している可能性もあるので注意が必要です。
更年期症候群の治療
①漢方薬
症状をゆっくり改善することが目的です。漢方薬は、東洋医学の観点から様々な効果があると言われています。全身の血流の改善、水分の安定、神経伝達物質の調整などです。
漢方薬は、年齢、症状、体型、気質に合わせて総合的に判断し処方致します。粉薬として内服してもいいですが、1番効果のある方法は、白湯に溶かして飲む方法です。
即効性は乏しいですが、約1〜2ヶ月ほど内服することで症状を緩和し、体質の改善など多くの利点があると言われています。
東洋医学は可能性を秘めた治療です。西洋医学と併用することで、効果を発揮することもあります。漢方薬は副作用も少なく安心して使用していただけますが、しばらく継続する必要があります。
②ホルモン補充療法HRT
分泌が低下したホルモンを補充することで症状が改善します。飲み薬だけではなく、貼り薬、塗り薬のタイプもあります。ホルモン補充療法は比較的即効性の効果が得られます。
日常生活に支障をきたすような症状がある場合はお勧めしています。ここ最近では、早期に始めることで健康寿命が改善する可能性が示唆されています。欧米などでは、80代を超えても使用する国も増えてきています。
③メルスモン注射
プラセンタの皮下注射となります。老化防止美肌効果、血行改善、更年期症状改善、月経不順、肩こり、膝の痛み改善などの効果があるとされています。更年期症状のある方は、1本であれば保険治療で受けることもできます。(45歳〜59歳の方)。1週間に2回程度のご来院をお勧めしています。メルスモンの注射は、胎盤から抽出される成分です。
※メルスモン注射を受けることで、献血が受けられなくなることをご了承ください。